ポリフェノールとは

ポリフェノールとはフラボノイドの一種で、緑色植物が光合成で作り出す糖分の一部が変化したものです。ポリフェノールには多くの種類がありますが、よく知られているのは以下のようなものです。　　　　　　
●赤ワインのアントシアニン
●大豆に含まれるイソフラボン
●お茶のカテキン
●カレー粉のクルクミン
●ゴマのセサミノール　　　
など 近年のポリフェノールに対する注目はめざましいものがあります。1999年度版の「現代用語の基礎知識」にも初掲載され、さらに学者たちの間でも、５大栄養素（炭水化物・脂肪・たんぱく質・ビタミン・ミネラル）や食物繊維に次ぐ、７番目の栄養素としてポリフェノールの研究が進められています。

ポリフェノールの主要な働きは、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用です。では活性酸素とは何なのでしょう？ 人は呼吸した時、取り入れた酸素量の約２％が体内で「活性酸素」に変化します。この活性酸素は、体内に侵入した細菌やウイルス等の異物を攻撃して死滅させる働きがありとても心強い物質である反面、喫煙やストレス等によって過剰発生すると、攻撃する対象物がなくなり、体内の正常な細胞をも攻撃する恐ろしい物質になります。 　活性酸素は、老化現象やあらゆる病気の原因に関係していることが明らかになっています。肌のシミやソバカス、シワなどの皮膚の老化をはじめ、動脈硬化・糖尿病などの生活習慣病、老人性痴呆症、脳梗塞、リウマチ性疾患、心筋梗塞、痛風、さらには日本人の死因の第１位を占めるガンにも活性酸素が関係しているといわれています。 　　
＜動脈硬化と活性酸素＞
血液中に悪玉コレステロールが増えすぎると動脈硬化が起こることはよく知られていますが、動脈硬化を引き起こすのは悪玉コレステロールそのものではなく、正確には酸化した悪玉コレステロールです。余ってしまった悪玉が血液中に増えすぎると、悪玉は酸化して変性し、「変性ＬＤＬ」（ＬＤＬ＝悪玉コレステロール）になります。この変性ＬＤＬが血管の最も内側の膜である血管内皮細胞にくっつくことから動脈硬化は始まります。したがって、動脈硬化を防ぐには、悪玉コレステロールを増やさないだけでなく、活性酸素による悪玉コレステロールの酸化を防ぐことも重要です。 　
　
＜ガンと活性酸素＞　
ガンの発病にも活性酸素の過剰発生が深く関係しています。「活性酸素が遺伝子に突然変異を起こし、ガンを引き起こす可能性が高いことを人体組織での研究で突き止めた」とガン研究機関から発表されましたが、体内で過剰に活性酸素が生産されると酸化が促進されすぎてしまい、細胞膜が損傷して遺伝子の構造に変異を起こさせてしまうのです。

 

ポリフェノールの強い抗酸化作用で活性酸素による体の酸化を抑える
本来、人間の体内にはSOD（スーパー・オキシド・ディスムターゼ）という抗酸化酵素を備えていて過剰な活性酸素を抑えていますが、40歳を境にその量は激減していきます。SODは体内では生成されない酵素ですから、それと同じような働きをする物質を外から摂取しなければなりません。そこで、抗酸化物質であるポリフェノールに注目が集まっているのです。ポリフェノールを摂取して体内の活性酸素を除去することにより、上記の疾病や老化を抑えることが期待できます。