発芽玄米とは

白米や玄米を水に浸して数日おくと、白米は腐ってしまいますが、玄米は腐らずに発芽します。これは、玄米には発芽に必要な栄養成分がそのまま残されているからです。こうした玄米の性質を利用して作られたのが発芽玄米です。玄米を水に１〜３日浸し、胚芽部分が0.5〜1mmほど発芽した時点で再度乾燥させたものです。

発芽玄米は玄米の欠点を解消
稲の一番外側の米の籾殻（もみがら）だけを除去したものを「玄米」といい、玄米からぬかを除き、胚芽を８０％以上残したものを「胚芽精米」といいます。胚芽精米から胚芽を完全に取ったものが「精白米」で、玄米に比べると栄養素は5%ほどしかありません。米の栄養価のほとんどは、外皮、ぬか、胚芽にあります。玄米のビタミンＢ1は精白米の４倍以上、食物繊維は５倍、カルシウムは２.５倍、ビタミンＢ2は２倍もあります。栄養価に富む玄米のすばらしさは広く知られていましたが、調理方法の煩わしさ・硬い食感・白米に比べて美味しさが劣ること、消化吸収率の低さなどから敬遠されていました。 このような玄米の欠点を解消したのが発芽玄米です。 発芽玄米は精白米に比べて
�@眠っていた玄米の酵素が活発になり、玄米より栄養価が増します。
�A発芽する事により外皮は軟らかくなるため、消化吸収が良い。
�Bデンプンがブドウ糖に変わるので玄米に比べて炊きやすい。
�Cアミノ酸が増えるため、独特の甘味が出て冷めてもパサパサしない。
といった利点があります。

発芽玄米には次のような成分が含まれています： ギャバ（GABA：ガンマ-アミノ酪酸）、食物繊維、イノシトール、フェルラ酸、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、トコトリエノール、フィチン酸（IP6）

ミネラルの吸収を高め、ガンや循環器系疾患に効果のある成分が豊富
●玄米にはマグネシウム・カリウム・亜鉛・鉄・ビタミン等健康維持に欠かせないミネラルが豊富に含まれていますが、フィチン酸（多糖類）と結合しているため吸収しにくくなっています。ところが、発芽させることで結合が切れて、ミネラル類の吸収が大変良くなります。

●結合が切れることによりフィチン酸の効果も発揮できるようになります。フィチン酸は、大腸ガン、肺ガン、乳ガンをはじめ腎結石、肝臓病、心臓血管系疾患等の予防・治療に効果があることが判明しています。　その他、アスパラギン酸・スレオニン等のアミノ酸も発芽前に比べ増えます。

●酵素の働きで胚芽の部分にギャバ（GABA：ガンマ-アミノ酪酸）が蓄積され、白米の約10倍も含まれています。ギャバは血圧降下や神経の沈静化、腎臓や肝臓の働きを高める効果があります。

●発芽の働きにより食物繊維も増加します。発芽玄米に含まれているトコトリエノールや食物繊維は，動脈硬化の原因の１つとされている血中の悪玉コレステロールの増加を抑える働きがあります。

●発芽玄米には，フェルラ酸，イソロイシン，プロリンといった，アミノ酸と結びつくと血小板の凝集を抑える成分が含まれています。これらの成分は，血小板の凝集が引き金となって起こる脳梗塞や心筋梗塞などの予防に有効です。また、玄米中に含まれる鉄分も発芽によって効率よく吸収されるので、貧血の予防にもなります。

ダイエット・美白・美肌・アルツハイマー病の予防と改善も
●ダイエットには、脂肪の代謝をよくするイノシトールや中性脂肪の増加を抑制するギャバが作用します。食物繊維で便秘が解消され、ダイエット中に不足しがちなミネラルの吸収もよくなるので、ダイエット中の主食に適しています。

●フィチン酸・フェルラ酸・トコトリエノール・ガンマオリザノール、ビタミンEなどは、肌荒れ・シミ・シワの原因である活性酸素を除去し、メラニン色素の生成を抑える働きがあるので、美白・美肌作りに効果があります。

●また、最近アルツハイマー型痴呆症の予防と改善に期待できる（PEP阻害物質）が発見されたとの研究報告があります。