加齢と共に体には様々な変化が表れます。 肥満、肌荒れ、しみ、しわ、白髪、抜け毛、体力低下、精力低下、記憶力低下などは老化による新陳代謝(体が新しいものに入れかわること)やエネルギー代謝(エネルギーをつくったり消費したりすること)の低下によるものです。また、免疫の低下や動脈硬化は、日本人の三大死因のがん、心疾患、脳卒中の原因となりますが、免疫の低下は免疫系の老化、動脈硬化は血管の老化によります。 医療としてのアンチエイジング(若返り、抗加齢療法、抗老化療法)とは、加齢(年を取ること)によって起る変化(老化)の原因を抑制することによって、老化を予防したり、老化を改善することで、いつまでも若々しく病気にならない体をつくり、ひいては長命長寿を可能にすることをいいます。 アンチエイジング(若返り)の考え方は最近になって急速に話題になってきました。 その背景には、近年の医学的・科学的技術の進歩で老化の原因がある程度明らかにされてきたことと、それに対する対策法が開発されてきたことにあります。 また、日本人の健康や美容に対する意識の高まり、QOL(生活の質)の向上に対する意識の高まり、外見的にも若さを維持し、場合によっては若返りたいという人が増えてきたなどの要因もアンチエイジング(若返り)が注目されてきた理由と考えられます。 それに加え、アンチエイジング(若返り)は老化を抑制することで病人をつくらないことも目的ですので、医療費の抑制に結びつく可能性があるために行政的にも大変注目されています。 ●医療として確立してきたアンチエイジング(若返り) 年齢を重ねることに伴う容姿の衰えや身体機能の低下を、手術や薬を使って改善する抗加齢(アンチエイジング・若返り)医療が注目を集めています。大学病院や専門の学会で学術的な研究も本格化してきています。 抗加齢医学は、高齢化社会が現実のものとなる 21 世紀の「究極の予防医学」と言えます。 ●アンチエイジング(若返り)医療の現状 ■美容外科 シワ取り手術、コラーゲンやヒアルロン酸の注入、レーザーによるシミ取り、ボトックス注射によるシワの改善、ピーリング、脂肪吸引による肥満部の除去などがあります。 美容外科のアンチエイジング(若返り)治療では、メスを使った手術よりも最近は薬を使った治療法が主流です。老人性色素斑や小ジワの除去のため薬品を使って表皮を削るケミカルピーリングや、筋肉を弛緩(しかん)させて眉間(みけん)などの深いシワをとるA型ボツリヌス毒素製剤などが代表例です。顔にメスを入れて皮膚を引き上げるフェイスリフトなどの手術に比べて患者の負担が軽いため、治療を受ける人の数は増加傾向にあります。 ■抗加齢医療 血液検査や骨密度、ホルモンバランスなどを総合的に測定して体全体の「老化度」を測定します。その人の弱点を特定し、食生活などの生活習慣の改善や簡単なストレッチ、筋肉トレーニングなどの運動療法を指導して、老化予防を目指します。更年期障害の女性などにはホルモン剤を処方することもあります。